冬になると、温かい部屋で過ごしたくなりますよね。しかし、その一方で、暖房による乾燥で悩まされる方も多いのではないでしょうか?特に、お口の乾燥は、様々な不快な症状を引き起こす可能性があります。
今回は、暖房によるお口の乾燥がなぜ起こるのか、その原因と対策について詳しく解説していきます。また、歯科医院ならではの視点から、お口の乾燥を防ぎ、快適な冬を過ごすためのヒントもご紹介します。
暖房によるお口の乾燥が起きる原因
暖房器具によって室温が上昇すると、空気中の水分が蒸発しやすくなります。乾燥した空気を長時間吸い込むことで、お口の中も乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液には、口の中を潤す、食べ物を飲み込みやすくする、歯の表面を保護するなど、様々な役割があります。唾液が減ると、これらの働きが低下し、口内環境が悪化してしまいます。
唾液の役割って?
唾液には、口の中を潤すだけでなく、様々な重要な役割があります。
- 自浄作用: 食べカスや細菌を洗い流し、口の中を清潔に保ちます。
- 消化作用: デンプンを分解する酵素が含まれており、消化を助けます。
- 緩衝作用: 口の中の酸性度を中性に保ち、歯の表面を保護します。
- 抗菌作用: 口の中にいる細菌の増殖を抑えます。
お口の乾燥がもたらす不快な症状
- 口内炎: 口腔粘膜が乾燥することで、ちょっとした刺激でも傷つきやすくなり、口内炎ができやすくなります。
- 舌のヒリヒリ感: 舌の表面が乾燥し、ヒリヒリとした痛みを感じる場合があります。
- 口臭: 口腔内の細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となります。
- 飲み込みづらさ: 唾液が減ることで、食べ物を飲み込みにくくなることがあります。
- むし歯・歯周病のリスク増加: 唾液には、口の中の酸を中和したり、細菌の繁殖を抑えたりする働きがあります。唾液が減ると、むし歯や歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなり、これらのリスクが高まります。
お口の乾燥対策
1.室内の湿度を上げる
- 加湿器を使う: 加湿器を使うことで、室内の湿度を適切に保ち、お口の乾燥を防ぐことができます。
- コップに水を入れる: 部屋にコップ一杯の水を置いておくだけでも、少しだけ室内の湿度を上げることができます。
- 洗濯物を室内に干す: 洗濯物を室内に干すことで、自然に室内の湿度を上げることができます。
- 観葉植物を置く: 観葉植物は、葉から水分を蒸散させるため、室内の湿度を上げる効果があります。
2. こまめな水分補給
- 常温の水をこまめに飲む: 冷たい飲み物は、一時的に喉の渇きを潤しますが、体内の水分バランスを崩しやすいため、常温の水をこまめに飲むようにしましょう。
- 乾燥した空気を避ける: 暖房の風が直接当たる場所は乾燥しやすいため、こまめに場所を移動したり、加湿器を近くに置いたりするなどして、乾燥した空気を避けるようにしましょう。
3. 口腔ケアを徹底する
- 歯磨き: 正しい歯磨きを習慣にすることで、歯垢や食べカスを除去し、口内を清潔に保ちます。
- 舌の清掃: 舌苔(舌の表面に付着した白い汚れ)を除去することで、口臭予防に繋がります。
- 歯科医院での定期検診: 定期的に歯科医院で検診を受けることで、早期に口腔内の問題を発見し、治療することができます。
2. 加湿器を使う
加湿器を使って、室内の湿度を40~60%に保つようにしましょう。ただし、加湿器を使う際は、清潔に保つことが大切です。
3. 口呼吸をやめる
口呼吸は、口の中を乾燥させやすいので、鼻呼吸を心がけましょう。
4. 口をゆすぐ
食後や寝る前には、水や口内洗浄液で口をゆすぐ習慣をつけましょう。
5. 舌を磨く
舌には、たくさんの細菌が住みついています。舌を磨くことで、口臭予防にもつながります。
6. 乾燥に強い食品を摂る
リンゴや梨、キウイフルーツなどの水分を多く含む果物や、ヨーグルトなど、唾液の分泌を促す食品を積極的に摂りましょう。
暖房によるお口の乾燥は、放置しておくと様々な口腔内のトラブルを引き起こす可能性があります。こまめな水分補給や加湿器の使用など、口腔ケアを徹底することで、お口の乾燥を防ぎ、快適な冬を過ごすことができます。
もし、お口の乾燥が気になる場合は、お気軽に当院にご相談ください。
かすもり・おしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニックでは、患者さま一人ひとりの口腔内の状態に合わせて、最適な治療計画をご提案いたします。
かすもりおしむら歯科 院長 押村憲昭