「歯磨きをした後、歯ブラシに血がついてビックリ!」こんな経験はありませんか?歯茎からの出血は、軽視しがちな問題ですが、実は様々な原因が考えられます。今回は、歯茎からの出血の原因や、ご自身に合った対処法について、わかりやすく解説していきます。
歯茎からの出血、一体なぜ?主な原因を解説
歯茎からの出血は、単なる歯磨きのしすぎだけでなく、様々な原因が考えられます。
- 歯周病 歯周病は、歯茎からの出血の最も一般的な原因です。歯垢や歯石が歯と歯茎の間に溜まり、細菌が繁殖することで歯周病が進行します。歯周病が進むと、歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
- 歯肉炎 歯肉炎は、歯周病の初期段階です。歯茎が赤く腫れ、出血しやすくなります。歯周病に進行する前に、早めに治療することが大切です。
- 間違った歯磨き 歯磨きが強すぎる、硬い歯ブラシを使っている、同じ場所に長時間歯ブラシをあてているなど、間違った歯磨きも出血の原因となります。
- 歯ぎしり 歯ぎしりは、歯や歯茎に過度の負担をかけ、出血を引き起こすことがあります。
- 薬の副作用 血圧降下剤や抗凝血剤など、一部の薬は歯肉の出血を引き起こす可能性があります。
- ビタミンC欠乏 ビタミンCは、歯ぐきの健康維持に重要な栄養素です。ビタミンCが不足すると、歯ぐきが弱くなり、出血しやすくなります。
歯茎からの出血、放置するとどうなる?
歯茎からの出血を放置すると、以下の様な問題を引き起こす可能性があります。
- 歯周病の進行 歯周病は、一度進行してしまうと元に戻すことは難しく、歯を失う原因となります。
- 口臭 歯周病によって口の中に悪臭を発生させる原因となる物質が増え、口臭の原因となります。
- 全身への影響 歯周病は、心臓病や糖尿病などの全身疾患のリスクを高めることがわかっています。
歯茎からの出血、どうすればいいの?
歯茎からの出血が見られた場合は、まずは歯科医院を受診することが大切です。原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
歯茎から出血した時の歯科医院での流れ
歯科医院では、一般的に以下の様な流れで治療が行われます。
1.問診
- いつから出血するようになったのか
- 出血の頻度や量
- 痛みはあるか
- 使用している歯ブラシや歯磨き粉の種類
- 全身の病気や服用している薬など
- 日常の生活習慣(喫煙、飲酒など)
など、詳しく問診を行います。
- 歯周ポケットの深さを測る
- 歯の根っこに付着している歯石の量を調べる
- 歯肉の状態を観察する
- 口腔内のレントゲン撮影を行う場合もある
3.診断
- 問診と検査の結果から、出血の原因を診断します。
- 歯周病、歯肉炎、歯ぎしり、間違った歯磨きなどが考えられます。
4.治療計画の説明
- 診断結果に基づいて、最適な治療計画を立て、患者さんに説明します。
- 歯石除去、歯周治療、生活習慣の改善など、様々な治療法があります。
5.治療開始
- 診断結果に基づいた治療を開始します。
- 歯石除去、歯周治療、薬の処方など、患者さんの状態に合わせて治療を行います。
歯医者で行われる主な治療
歯茎からの出血に対する治療は、原因によって異なります。
- 歯周病の場合
- 歯石除去: 歯周ポケットに溜まった歯石を専用の器具を使って除去します。
- 歯周治療: 歯周ポケットの深さに応じて、薬液での洗浄や外科的な治療を行います。
- 歯磨き指導: 正しい歯磨きの方法を指導し、自宅でのケアを徹底します。
- 歯肉炎の場合
- 歯石除去と歯磨き指導を中心に治療を行います。
- 歯ぎしりの場合
- マウスピースの装着を勧められることがあります。
- 間違った歯磨きの場合
- 正しい歯磨きの方法を指導します。
自宅でできるケア
歯科医院での治療と並行して、自宅でも以下のケアを行うことで、歯茎の健康を維持することができます。
- 正しい歯磨き 柔らかい毛の歯ブラシを使い、歯と歯茎の境目を優しく磨きましょう。
- 歯間ブラシやデンタルフロス 歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間を、歯間ブラシやデンタルフロスで清掃しましょう。
- 定期的な歯科検診 3ヶ月~6ヶ月に一度は歯科医院で歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
- バランスの取れた食事 ビタミンCを多く含む緑黄色野菜や果物を積極的に摂りましょう。
歯茎からの出血を防ぐために
歯茎からの出血を防ぐためには、日頃から歯の健康に気を配ることが大切です。
- 規則正しい生活 睡眠不足やストレスは、免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる可能性があります。
- 禁煙 喫煙は、歯周病のリスクを高めることがわかっています。
- 口呼吸をやめる 口呼吸は、口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。
歯茎からの出血は、軽視しがちな問題ですが、放置すると様々な健康問題を引き起こす可能性があります。歯茎からの出血が気になる場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
この記事を書いた人は中村区にある歯医者
かすもりおしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック 院長 押村憲昭
かすもりおしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック 院長 押村憲昭