鏡を見たときに、奥歯や前歯の「銀歯」が気になる…そんなお悩みを持つ方は少なくありません。
最近では、見た目の美しさだけでなく、金属アレルギーや二次むし歯のリスクを考えて「白い詰め物・被せ物」に変える方が増えています。
しかし、「セラミック」「ジルコニア」「CAD/CAM冠」など、種類が多くて違いがよくわからないという声もよく聞きます。
今回は、それぞれの特徴や選び方のポイントをわかりやすくご紹介します。
銀歯のデメリットとは?
まずは、なぜ「銀歯を白くしたい」と感じる方が多いのか、その理由を整理してみましょう。
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見た目が目立つ
笑ったときにキラリと光る銀歯は、どうしても自然な歯とは違った印象になります。
とくに女性や接客業の方は、審美面を気にされることが多いです。
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金属アレルギーのリスク
長年お口の中に金属が入っていると、唾液によって金属イオンが溶け出し、体内に取り込まれることがあります。
皮膚のかゆみ、手の湿疹、口内炎などの原因になる場合もあります。
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歯ぐきの黒ずみ
銀歯の周囲の歯ぐきが黒ずむ「メタルタトゥー」と呼ばれる現象もあります。
審美的にも気になる方が多いポイントです。
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むし歯の再発リスク
金属は歯との接着性が弱く、わずかな隙間からむし歯が再発することがあります。
近年の接着技術を用いたセラミック系素材は、このリスクを大きく減らせます。
白い素材にはどんな種類があるの?
「白い詰め物・被せ物」といっても、実際にはいくつか種類があります。
主な3つの素材を比較してみましょう。
① セラミック(陶材)
【 特徴 】
セラミックは、陶器のような素材で透明感があり、見た目の美しさはピカイチです。
天然の歯と見分けがつかないほど自然な色調を再現できます。
メリット
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透明感とツヤがあり、最も自然で美しい仕上がり
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変色せず、長期間白さをキープ
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歯との接着性が高く、むし歯の再発を防ぎやすい
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金属アレルギーの心配がない
デメリット
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強い衝撃で割れることがある
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自費診療となるため費用がやや高め
おすすめの方
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前歯など審美性を重視したい方
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自然な色合いにこだわりたい方
② ジルコニア
【 特徴 】
「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど強度の高い素材です。
白くて丈夫なので、奥歯など強い力がかかる部分にも適しています。
メリット
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非常に硬く、割れにくい
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金属を使わず、アレルギーの心配がない
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長期間使用しても変色しにくい
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咬合力の強い方やブリッジにも対応可能
デメリット
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セラミックに比べると透明感がやや劣る
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純白に近い色合いのため、自然なグラデーションはやや少なめ
おすすめの方
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奥歯の被せ物を白くしたい方
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歯ぎしりや食いしばりのある方
③ CAD/CAM冠(キャドキャム冠)
【 特徴 】
CAD/CAMとは、コンピューターで設計・加工するシステムのこと。
レジン(プラスチック)にセラミックを混ぜた「ハイブリッド素材」で作られます。
※健康保険が適用できるケースは「部位」「咬み合わせ」などの条件を満たす場合に限られます。
メリット
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保険適用(条件あり)で費用を抑えられる
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金属アレルギーの心配がない
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銀歯よりも自然な色合い
デメリット
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セラミックやジルコニアより強度・耐久性が劣る
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経年ですり減りや変色が起こることがある
おすすめの方
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「なるべく費用を抑えて銀歯を白くしたい」方
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保険の範囲で自然な見た目にしたい方
白い歯で笑顔に自信を
銀歯を白くする治療は、見た目を美しくするだけでなく、健康面にもメリットがあります。
金属アレルギーのリスクを減らし、むし歯の再発を防ぎ、長期的に快適なお口を保つことができます。
素材選びに迷う方は、見た目だけでなく「自分の歯の状態」「生活スタイル」「費用感」などを総合的に相談するのがおすすめです。
「銀歯を白くしたいけれど、どれが自分に合うかわからない」という方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人は中村区にある歯医者
かすもりおしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック 院長 押村憲昭